「クレームって何?」
「クレームはチャンス!」
【クレームについて】
「クレーム」という言葉を聞いてどのような印象を受けますか。皆様の中には「クレーマー」を連想(れんそう)し、クレームという言葉に悪印象を抱(だ)く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
『日本国語大辞典』で「クレーム」を引くと、「商品取引で、取引の相手が品質不完全、着荷不足、損傷その他の契約違反をした場合、相手方に対して損害(そんがい)賠償(ばいしょう)の請求や苦情を申し立てること」と書かれています。
つまり、買った商品が壊れていたなどの契約違反を相手が行ったことで損害賠償の請求や苦情を述べることがクレームということになります。そのため、クレームを申し入れた側は相手に対して「これはおかしい」や「契約違反だ」と言える主張を持っていることになり、クレームを申し入れることが必ず悪いことではなく、相手に不手際があるならば保証してもらうことは当然だと言えるでしょう。しかし、不必要に苦情を申し入れ、必要以上に相手を責(せ)め立てるクレーマーが問題視されたことで、取引において当然の権利であるクレームが誤解されているように思われます。
このように、クレームを申し入れること自体は悪いことではありません。しかし、悪いことではないと言われてもクレーム対応は嫌だと思われるかもしれません。
そこで、本日はクレーム対応に役立つ「四(し)摂(しょう)」の教えについて紹介したいと思います。
【四摂(ししょう)の教え】
「四摂(ししょう)」とは、人々の心をおさめることのできる四つの方法です。
この教えは仏教を開いた人物であるお釈迦様が説いた教えで、「布施(ふせ)」「愛語(あいご)」「利(り)行(ぎょう)」「同事(どうじ)」の四つのことを指します。
はじめに「布施」とは、「分かち与えること」を指します。
布施(お布施)と聞くと、お金、食べ物、衣服などの物を与えて安心できる環境を施(ほどこ)すことを想像される方もいらっしゃるでしょう。たしかに、物を与えることも布施ですが、物がなくても笑顔を相手に向けて安心を与えることも布施となります。このように布施とは物の有無にかかわらず与えることで相手に安心を提供することと言えるでしょう。
クレーム対応では相手の話を聞いているという表情を見せ、相手の話にうなずくことが布施に当たると言えるのではないでしょうか。親身な姿を見せ、うなずくことで相手の心は落ち着き、「話をしっかり聞いてくれている」という安心感を与えるので問題解決も円滑(えんかつ)に運ぶことができます。
続いて「愛語」とは、「やさしい言葉をかけること」を指します。
たとえ正しいことを主張していても暴言(ぼうげん)や見下す言葉を発して相手を傷つけてしまえば恨みや口論などの問題を起こすきっかけとなります。これに対して、相手をいたわるやさしい言葉をつかえば問題に発展することなく速やかな解決に導くことができるでしょう。しかし、やさしい言葉をつかったとしても相手を思いやる気持ちが無くてはなりません。心のこもっていない言葉は相手に見破られトラブルの新たな原因となります。
次に「利行」は、「相手のためになること、相手の利益になることをすること」を指します。
ああすれば良い、こうすれば良い、と言うだけではなく、その人に変わって問題解決を進めたり、相手を問題解決に導いてあげることです。利行を受けた相手には感謝の心が生まれ、恩返しがしたいと思い人間関係がより良いものとなります。しかし、相手のためになる事であっても相手が望まないときは時が熟すのを待ちましょう。
最後の「同事」は「相手を自分の事のように思うこと」を指します。実際、自分と相手は全く違うものなので相手の気持ちを完璧にくみ取ることは不可能です。しかし、相手が何に悩み、何を求めているのかを探って相手の気持ちに共感してあげることが大切です。
例えば、ケーキに髪の毛が入っていたというクレームを受けたとします。謝罪してケーキを新しいものに交換すれば済む場合もあります。しかし、そのケーキがふるまわれた場所が友人たちを招待した誕生日会ならばいかがでしょうか。おそらく、友人たちにケーキをふるまった方は恥ずかしさと怒りの気持ちでいっぱいになります。ケーキを新しいものに交換したとしても怒りが収まらないのは皆様もお分かりの事と思います。このように相手が本当に悩んでいることを知ることで適した解決策を導くことこそ同事の実践だと言えるでしょう。
以上が四摂の教えとなります。昔のお坊さんたちもこれらの教えを守って人間関係を築いていたので現代にも四摂の教えが伝えられたのでしょう。
【グッドマンの法則】
最後にジョン・グッドマンが1970年代後半に消費者への苦情処理とその再購入率について調査した結果を白?(はくおう)大学経営学部の教授だった佐藤(さとう)知(とも)恭(やす)さんが体系化した「グッドマンの法則」を紹介したいと思います。
グッドマンの法則には「不満を企業に伝えてくる顧客のうち、対応に満足した顧客の再興入決定率は申し立てなかった顧客に比べて高くなる」というものがあります。つまり、クレームを申し入れなかったお客さんに比べて、クレームを申し入れ満足いくお店の対応を受けたお客さんの方が再び商品を買ってくれる確率が高いというものです。グッドマンの法則の通りならば、クレーム対応はもう一度商品を買ってもらえるチャンスと言えるでしょう。
恐らく、満足いくクレーム対応によって会社への信頼につながるため、クレームを申し入れた人が再興入する確率が高いという結果が出たのではないでしょうか。
人間関係も同じだと私は思います。失敗やすれ違いにより関係が崩れたとしても良い対応によって関係を修復することができます。修復できた関係は信頼が増すのでより強い人間関係を築けるのです。
皆様も普段から四摂の教えを実践してみてください。四摂の教えは人間関係を築くだけでなく、クレーム対応や人間関係修復のお手伝いとなり、より良い信頼関係を築くきっかけとなります。そして、信頼を置く人が増えることで皆様の人生がより豊かなものとなるのではないでしょうか。
「クレームはチャンス!」
【クレームについて】
「クレーム」という言葉を聞いてどのような印象を受けますか。皆様の中には「クレーマー」を連想(れんそう)し、クレームという言葉に悪印象を抱(だ)く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
『日本国語大辞典』で「クレーム」を引くと、「商品取引で、取引の相手が品質不完全、着荷不足、損傷その他の契約違反をした場合、相手方に対して損害(そんがい)賠償(ばいしょう)の請求や苦情を申し立てること」と書かれています。
つまり、買った商品が壊れていたなどの契約違反を相手が行ったことで損害賠償の請求や苦情を述べることがクレームということになります。そのため、クレームを申し入れた側は相手に対して「これはおかしい」や「契約違反だ」と言える主張を持っていることになり、クレームを申し入れることが必ず悪いことではなく、相手に不手際があるならば保証してもらうことは当然だと言えるでしょう。しかし、不必要に苦情を申し入れ、必要以上に相手を責(せ)め立てるクレーマーが問題視されたことで、取引において当然の権利であるクレームが誤解されているように思われます。
このように、クレームを申し入れること自体は悪いことではありません。しかし、悪いことではないと言われてもクレーム対応は嫌だと思われるかもしれません。
そこで、本日はクレーム対応に役立つ「四(し)摂(しょう)」の教えについて紹介したいと思います。
【四摂(ししょう)の教え】
「四摂(ししょう)」とは、人々の心をおさめることのできる四つの方法です。
この教えは仏教を開いた人物であるお釈迦様が説いた教えで、「布施(ふせ)」「愛語(あいご)」「利(り)行(ぎょう)」「同事(どうじ)」の四つのことを指します。
はじめに「布施」とは、「分かち与えること」を指します。
布施(お布施)と聞くと、お金、食べ物、衣服などの物を与えて安心できる環境を施(ほどこ)すことを想像される方もいらっしゃるでしょう。たしかに、物を与えることも布施ですが、物がなくても笑顔を相手に向けて安心を与えることも布施となります。このように布施とは物の有無にかかわらず与えることで相手に安心を提供することと言えるでしょう。
クレーム対応では相手の話を聞いているという表情を見せ、相手の話にうなずくことが布施に当たると言えるのではないでしょうか。親身な姿を見せ、うなずくことで相手の心は落ち着き、「話をしっかり聞いてくれている」という安心感を与えるので問題解決も円滑(えんかつ)に運ぶことができます。
続いて「愛語」とは、「やさしい言葉をかけること」を指します。
たとえ正しいことを主張していても暴言(ぼうげん)や見下す言葉を発して相手を傷つけてしまえば恨みや口論などの問題を起こすきっかけとなります。これに対して、相手をいたわるやさしい言葉をつかえば問題に発展することなく速やかな解決に導くことができるでしょう。しかし、やさしい言葉をつかったとしても相手を思いやる気持ちが無くてはなりません。心のこもっていない言葉は相手に見破られトラブルの新たな原因となります。
次に「利行」は、「相手のためになること、相手の利益になることをすること」を指します。
ああすれば良い、こうすれば良い、と言うだけではなく、その人に変わって問題解決を進めたり、相手を問題解決に導いてあげることです。利行を受けた相手には感謝の心が生まれ、恩返しがしたいと思い人間関係がより良いものとなります。しかし、相手のためになる事であっても相手が望まないときは時が熟すのを待ちましょう。
最後の「同事」は「相手を自分の事のように思うこと」を指します。実際、自分と相手は全く違うものなので相手の気持ちを完璧にくみ取ることは不可能です。しかし、相手が何に悩み、何を求めているのかを探って相手の気持ちに共感してあげることが大切です。
例えば、ケーキに髪の毛が入っていたというクレームを受けたとします。謝罪してケーキを新しいものに交換すれば済む場合もあります。しかし、そのケーキがふるまわれた場所が友人たちを招待した誕生日会ならばいかがでしょうか。おそらく、友人たちにケーキをふるまった方は恥ずかしさと怒りの気持ちでいっぱいになります。ケーキを新しいものに交換したとしても怒りが収まらないのは皆様もお分かりの事と思います。このように相手が本当に悩んでいることを知ることで適した解決策を導くことこそ同事の実践だと言えるでしょう。
以上が四摂の教えとなります。昔のお坊さんたちもこれらの教えを守って人間関係を築いていたので現代にも四摂の教えが伝えられたのでしょう。
【グッドマンの法則】
最後にジョン・グッドマンが1970年代後半に消費者への苦情処理とその再購入率について調査した結果を白?(はくおう)大学経営学部の教授だった佐藤(さとう)知(とも)恭(やす)さんが体系化した「グッドマンの法則」を紹介したいと思います。
グッドマンの法則には「不満を企業に伝えてくる顧客のうち、対応に満足した顧客の再興入決定率は申し立てなかった顧客に比べて高くなる」というものがあります。つまり、クレームを申し入れなかったお客さんに比べて、クレームを申し入れ満足いくお店の対応を受けたお客さんの方が再び商品を買ってくれる確率が高いというものです。グッドマンの法則の通りならば、クレーム対応はもう一度商品を買ってもらえるチャンスと言えるでしょう。
恐らく、満足いくクレーム対応によって会社への信頼につながるため、クレームを申し入れた人が再興入する確率が高いという結果が出たのではないでしょうか。
人間関係も同じだと私は思います。失敗やすれ違いにより関係が崩れたとしても良い対応によって関係を修復することができます。修復できた関係は信頼が増すのでより強い人間関係を築けるのです。
皆様も普段から四摂の教えを実践してみてください。四摂の教えは人間関係を築くだけでなく、クレーム対応や人間関係修復のお手伝いとなり、より良い信頼関係を築くきっかけとなります。そして、信頼を置く人が増えることで皆様の人生がより豊かなものとなるのではないでしょうか。





